2017年 ACT.5

「やすらぎ体操第一」

7月に入り、梅雨真っ最中だというのに東京は晴れ間が多く、個人的には嬉しい限りだ が、
一方、九州地方は大雨大災害。心よりお見舞い申し上げます。

この時期になると必ず思い出すのは、約50年ほど前のビートルズの初来日。
俺は武道館 に・・・・・・行けるはずもなく、高校野球甲子園大会東京予選に向けて、高校球児恒例の梅雨真っ只中合宿であった。連日の雨、雨、雨でグラウンドは泥だらけ。そんな中、ほぼ毎日練習は行なわれる。簡単には休めない。それに弱小チームの1年生なのでユニホームなんか
1着しか持ってない。その一張羅ユニホームは毎日洗うが、泥がこびり付いてなかなか乾かない。次の朝には半生(なま)乾(がわ)き的ドロこびり付きユニホームを着る羽目になる。それが連日となると泥がどんどん足されて、ユニホームはだんだん重くなる。まるで何百年と続いている鰻屋の継ぎ足し「たれ」のようだ。おっと、もう一つ凄い「たれ」がある。たれと言ってはなんなんだが、風呂は3年生から入るので1年生の番になると、湯船は底から20センチほどのドロと化す。泥で泥を落とす、その泥が沈殿してそれを肌に塗りつけ、お湯で流すとツルツルの肌に…?
「あまり暑いと人は嘘つきになる」byカミュ? ? ? どこからかビートルズの「I Feel Fine」が聞こえてきた。が俺たち1年生はいつでも、 「I Feel Bad」だった。

話は変わるが、暑さ厳しい中、我が家の奥のお宅ではリフォーム真っ最中、そしてお隣は何と建て替え中。朝8時30分から着工、お互い平成元年新築同士なので、いつの間にか築28年、いろいろガタがきている。我が家も10年ほど前、外壁をグリーンに塗り変えたのでお互い様である。駐車場のシャッターもグリーンにした。天気の良い日はうちのグリーンがお隣の真っ白い壁に反射して、お隣の壁が素敵なペパーミントグリーンになった。さてお隣の壁は何色になるのだろう? 黄色にしてくれればウチは素敵な黄緑になる。そんなことはないか。

家ならば、リフォームや建て替えができるが、人間はそうはいかない。いや、簡単なリフォームならば形成外科で出来るが、1回リフォームすると癖になり、原型が分からなくなるほど直してしまう。隣国の半島では男のリフォームも流行っているという、就職にも有利なんだとか。わからなくはないが、やっぱりわからない。わかりたくもない。まず心のリフォームをして欲しい。

片や、リフォームなんて関係ないわ!という逞しい女優達が出演している話題のテレビドラマ、「やすらぎの郷」(テレビ朝日系列)。ほとんどの方が、リフォームをせず、70、80年生きて来た、いや80年以上の方もいらっしゃる。

撮影現場はとにかく楽しい、セリフを覚えているんだか忘れているんだか、お芝居の間 (ま)なんだかよくわからない。監督さんたちも、気を遣ってじーーーっと見ながらちょい遅めの
「カーーーット」の掛け声、なんとも素敵な現場、この作品に参加できて俺は本当に幸せ者だ。

脚本家、倉本聰さん曰く、この作品のテーマは「楽しく逝く!」である。人間である以上必ず誰でも逝く、楽しく逝けるのか辛く逝くのかは誰にもわからない。楽しく逝けたらいいなと誰もが思うところだろう。「そこ」までが楽しければいい、「そこ」が多少辛くても「そこ」まで一生懸命生きる。死ぬまで歩こう、自分の足で。死ぬまで稼ごう、自分の腕で。ドラマ「やすらぎの郷」はテレビ業界に貢献した人々が無料で入居できる老人ホームの話である。朝一番の館内放送は「みなさーん 今日も生きていますかー!」と始まる。その後「ラジオ体操」ではなく、「やすらぎ体操」なるものが始まる。実はこの体操、倉本さんが「体操の詞は龍史さんに書いてもらえばいいんじゃない!」、音楽チームからは「じゃあ 作曲も中村さんに頼みましょう!」、振り付けは決まっていなかったので勝手に俺が引き受けた。体操の始まりをちょっと紹介しよう。

今日も生きている それが人生
明日はわからない それも人生
あーあ 人生は面白い
素敵な出会いがありすぎて
乾杯 人生に  乾杯 自分に
乾杯 みなさんに
乾杯 in my life
「人生100年 年金に頼るな 死ぬまで歩こう 自分の足で」

最後は木(もく)魚(ぎょ)の音をバックにラップ調にしてみた。この「やすらぎ体操」最近巷で流行っているという。去年流行った「恋ダンス」ならぬ「老いダンス」と呼ばれているらしい。 先日も第一興商(カラオケ屋さん)からカラオケにしたいと連絡があったそうな。DVDにもなるという。自作の曲がカラオケになるという、なんともムフフな思いである。ついでに「やすらぎの郷」挿入歌の「振り向けば腰痛」「トーニョーだよおっかさん」もカラオケになってくれればムフフフフ状態になるのだが、ま、そう簡単にいかないのが人生の良いところ、欲張らない、欲張らない。
「人間欲張ると長生きしない」byリョージ・クルーニー。

さて今夏の舞台は「シェークスピア」である。日本の歴史で言えば「関ヶ原の戦い」の頃に書かれた喜劇作品だ。「夏の夜の夢」というタイトルだけに、本当に真夏の夜の夢のようなお話。真夏といっても暑苦しいお話ではない。汗をかいたり、蒸し暑いなどというセリフはどこにも出てこない。妖精が涼しげに出てきて、おぞましい惚(ほ)れ薬で悪戯(いたずら)。普通の恋が普通ではなくなり、顔がロバになったり、目が覚めたら違う人を好きになっていたりする、まさに運命の悪戯が大好きなシェークスピアの秀作である。現実にも運命を悪戯されることはあるが、人は意外と強い。この物語でも理不尽な目にあう利(り)夫人(利発な夫人の「造語」)がいる。昨日まで愛していると言っていた恋人が、目が覚めると他の女性にうつつを抜かしている。利夫人はこんな酷(ひど)い仕打ちを受けても、半分は自分のせいだと言う。そう、女は強い、男はバカ!妖精は自由すぎだ。「夏の夜の夢」はシェークスピアが生きた時代と同じ、
オール男性キャストでお贈りします。お楽しみに。

それにしても日本人は強い! どんな災害に遭っても必ず立ち直る、それも大したスピードで。地震大国、台風大国のなせる技なのだろう。1番会いたくないモノ、「天災」と「理不尽な人」。

でもそれらに会う事で日本人は確実に成長してきた。それこそ本当の「理不尽!」なりっ !

みなさんこの夏、理不人台風に気をつけて 「やすらぎ体操」で夏を乗りきりましょう !

また再来月 !

 

 

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