「energy~笑う筋肉~」開幕
桜の便りがちらほら聞こえて来る3月、ステージナビ読者の皆さまいかがお過ごしでしょうか。
桜どころの騒ぎではなく、長年花粉症を患っていらっしゃる皆さまに於かれましては、本当に辛いこととお察し致します。くれぐれもお鼻をお大事に、お見舞い申し上げます。
さて俺は、大阪暮らしもはや40日をゆうに超え、小田舎風の岸和田市から都会に居を移し、
3月8日の「energy~笑う筋肉~」初日を迎え、今日は本番4日目。毎日ワクワクこのヤローーーっ、ワクワクこのヤローーっ、ワクワクよしっ。という生活を送っとります。
今回のノンバーバル(台詞のない)スポーツミュージカル「energy~笑う筋肉~」は、
2001年初演「マッスルミュージカル」のリニューアル?とよく言われる。いやいやとんでもない。家に例えるならば、土地はそのままだが建物は全て重機3台で取り壊し、真っさらな土地にし、一から立て直すという大改造。いわばより良い作品作りのため、前回の作品をぶっ壊し、真っさらな気持ちで挑む。という新築バリバリ建て替え大改造作業であった。
ウチのカンパニーからはコーチ兼出演者として3人参加しているが、スポーツミュージカルとしては舞台スタッフ出演者は新顔&猛者勢ぞろいである。
出演者は去年9月から12月まで3ヶ月かけて東京、大阪でオーディション。その日のうちにワークショップ。合格基準は身体能力はもちろんだが、大事なのは元気モリモリで性格が良い、これに尽きる。
舞台スタッフは俺が今考える最高の人々にお願いした。
まず音楽は、ミュージカル界においてなくてはならない存在、八幡茂。もう一人は、テレビ番組「大改造!!劇的ビフォーアフター」の松谷卓の両氏。照明は故蜷川幸雄氏と長年タッグを組んでいた.“青”の巨匠・原田保、そして美術は旧知の仲・中村公一。どうだっ!一般の方にはよく分からないと思うが、業界人が聞けば「面白ーーーーーっ!」ってことになる。
音楽作りは思った以上にうまく運んだ。去年の9月頃から練りに練って、会って会って、話して話して、12月頃には形が見えてきて、1月には振り付けに入った。振り付けに入ってから細部を直す過程で、音楽家に大阪に来て欲しいと伝えると、次の日に音楽機材を積んだラリー仕様の車で、すっ飛んで来てくれ、稽古場で音楽を直しながら振り付けを進めることが出来た。これが演出家・振付家にとってどれだけ助かるか。
「energy」出演者は舞台未経験者がほとんどで、俺が考えた演出や振り付けを理解できなかったり、技術的に無理だったりすることが多かった。そんな時、既に出来ている楽曲を直さなければいけないことがある。2小節削ったり、4小節増やしたり、ニュアンスを変えたり、それをメールや電話でやり取りするうちにどれだけストレスが溜まることか。俺は生来ストレスとは無縁なはずだったが、今回だけはストレスの存在を身体中で感じてしまった。
そんな中、スーパースタッフに支えられ、「energy」の幕が上がった。
写真は「energy」の舞台美術。センターから突き出ているのは舞台用語で「でべそ」と言う。いつ誰が言い出したかは知れず、よく見るとなるほど「でべそ」。しかしこんな長い「でべそ」見たことない。なぜこんな長い「でべそ」が必要なのか。
それは「energy」の十八番のひとつ「JBOX」、いわゆる“跳び箱”が関係している。
跳び箱を本舞台と「でべそ」の中間に置き、「でべそ」には厚さ40センチ長さ3メートルの大きなマット。そこにメンバーが舞台奥から猛烈な勢いで跳び箱を跳ぶ。最前列のお客様から観ると、まるで空から人が降ってくる、後から後から2、30人「人々」が降ってくる。空から天使が舞い降りるごとく、空から筋肉が舞い落ちる。
この光景は、強いて言うならば、牛や馬や豚が空から撒かれている状態!?
けもの的迫力満載。
「でべそ」にして本当に良かった!
昔は銭湯に行くと、立派な「でべそ」の人をよく見かけた、最近はどうなんだろう。「でべそ」は死語なんだろうか……。そんなことはどうでもいい。
俺は今思う。「energy」はスポーツミュージカル史上最高の傑作作品なんじゃないかと(微笑)。
大阪からサブカルチャー発信、オリジナルスポーツミュージカル。
世界中に輸出するぞーーーーーーーーーーっ!
中村龍史

